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理事長からのご挨拶

 

理事長就任にあたって

 

このたび伝統ある日本小児外科学会の第22代理事長を拝命致しました。

本学会でこれまで育てて頂いた諸先輩や、ともに働いてきた多くの先生方に少しでも恩返しをしたいと思う一方で、本学会の果たす学術的、社会的な役割の大きさと、職責の重さを考えるとあらためて身の引き締まる思いでおります。

本学会は創立から50年余を経過しました。手術により子どもの命を助け、子どもたちがより明るい未来への扉を開けるように、そして次世代の子ども達が元気な生を受けられるように、学術の進歩と医療技術の向上を目指そうという学会創設の基本精神は、爾来変わりないと思います。今日、関連諸分野の技術的進歩を受けて小児医療の枠組みも大きく変わりましたが、本学会は創設の基本姿勢を引き継いで次世代を担う後進へ伝えてゆくように機能させてゆきたいと考えております。

学会の外に目を転じると、現在、日本の医学、医療は大きな変革期を迎えております。わが国においてもビッグデータに基づいた医療品質評価が浸透しつつあり、一方で高品質の医療を提供できる医師の安定的な育成のために専門医制度の抜本的な変革作業が進められております。学会として、これらの情勢を十分に見極めた、迅速かつ適切な対応が求められていることは言うまでもありません。本学会では昨期理事会において、仁尾正記理事長の下、あらためて手術を受ける子どもの立場に立った小児外科専門医、指導医の在り方ならびにその育成について議論を続けてまいりました。今期理事会においては、そうした議論を基盤にして、会員がより良い労働環境で小児外科医療ならびに後進の育成に働けるように、新たな専門医制度を構築してゆきたいと考えております。同時に小児外科医療や小児外科医の育成を、小児医療や外科医療全体の巨視的な視野で捉え、関連領域の諸学会や行政と連携をより密にしてゆくことも、本学会の重要な方向性と考えております。

学術研究における学会の役割に関しては色々な考え方がありますが、基礎的、臨床的研究の遂行にあたり、学会が研究基盤の構築を支援し、また倫理的規範の維持・徹底に働く必要があると考えています。あわせて、本学会の学術集会は、昨期理事会において提言されたように、日本国内にとどまらず、アジア全体から世界への情報発信の場として展開してゆくことが必要であると考えています。これらを学会の方向性と定めて、それに向かった舵取りをしたいと思います。

学会の役割に関するこうした議論の一方で、学会運営の観点からは十分な学会の活動と会員サービスの維持・向上のための財政基盤を安定させることが求められております。眼前の問題のみにとらわれることなく、今後、長きにわたって学会を安定して運営しうる財政基盤の構築ならびに学会の形態のあり方について、喫緊で議論を深め、改革作業に着手したいと考えております。

本学会を通して小児外科医療の充実にできるだけの努力をしたいと考えておりますので、会員諸氏はじめ皆様におかれては何卒これまでと変わらぬご協力をお願い申し上げます。

 

平成27年5月

日本小児外科学会 理事長

黒田 達夫