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35歳女性(卒後11年目)

私は大学を卒業してすぐ大学の小児外科学教室に入局し、小児外科の研修医として2年間大学勤務の後、3,4年目は一般病院で成人外科と小児外科を学びました。5年目に結婚を機に教室のご配慮をいただき、希望により小児病院外科での勤務となりました。小児病院では新生児からcommon disease、重症心身障害児まで症例は多く、修練医が私一人であったこともあり、ほぼ全症例の検査、手術、管理と、外来まで担当しました。小児外科医としての経験と自信をある程度身に着けることができ、おかげで外科専門医は5年目終了後に、小児外科専門医は7年目終了後に取得できました。しかしその分私生活は主婦らしいこともせず、仕事中心の慌しい日々ではありました。

小児外科専門医取得の目途がたった8年目から約3年半にわたり、小児泌尿器科医として勤務する機会を得ました。小児外科医として、精巣捻転や停留精巣などのcommon diseaseの修練や、膀胱鏡・VCUGなどの検査技術の取得、また泌尿器科的な感覚を身に着けることなどを希望して上司に相談し、研修の機会を作っていただけたのです。実際に働いてみての外科との違いは、まず外科では治療に急を要する疾患が多いのに対し、泌尿器科では経過観察を要するもしくは経過をみることで改善する疾患が多いこと、緊急手術は稀であることがあります。また術後早期から食事を再開でき急変も少なく管理は比較的楽ですが、腎機能や排尿機能、そして生殖機能などについて長期間のフォローアップが必要で、患児のQOLのための細かい配慮は専門科ならではと感じました。一方手術手技としては尿道下裂のような細かい手術から、外科医にはあまりなじみのない後腹膜腔での手術・視野が新鮮で非常に勉強になりました。ライフスタイルは、忙しさにムラがある小児外科と比べると、予定手術や検査、外来が大半のため生活リズムは比較的一定で、計画的に休暇などがとりやすい印象でした。

自分の経験から、小児外科の修練をしっかりと積み、できれば専門医を取得したのちに泌尿器の修練を行う方が、外科を離れることの不安もなく泌尿器の研修に専念でき、泌尿器の知識も手術手技もよりスムーズに身に着けられると思っています。何を目標とするかにもよりますが、期間も最低2,3年は泌尿器科専属で修練を積んだ方が良いと思います。

小児泌尿器科での研修は、小児外科医が知っておくべき泌尿器科的知識以上の考え方や感性を学ぶことができる貴重な経験でした。現在出産のため一時休養に入りますが、今後小児外科医としてさらに修練を積みつつも、小児泌尿器分野の治療にも少しでも携わり続けることが重要だと考えています。