便秘

 便秘とは,排便の回数または排便量の少ない状態をいいます.
 小児の便秘には,少ないながら何らかの原因があっておきることがあります.その原因になる病気には,体のつくりの異常(鎖肛(直腸肛門奇形)など),ホルモンの異常(甲状腺機能低下症など),脊髄神経の異常(二分脊椎,髄膜瘤など),腸の神経の異常(ヒルシュスプルング病など),おなかの筋肉(腹筋)の異常(腹壁破裂ダウン症候群など)のほか,常用の薬(抗痙攣剤,麻薬など),精神発達の遅延,精神的なもの,毒物によるものなどがあります.
 これらの診断のためには,まず詳しい病歴の聴取を行います.そして肛門の周囲をみたり,おなかを触ったり肛門から指を入れて直腸を触れて便のかたまりがあるかなどを調べます.おなかのレントゲン検査で大腸の構造,大腸のガスや便の貯まっている状態,仙骨の形などをみます.さらに必要であれば,腸の造影検査や,直腸肛門内圧検査などを行うこともあります.
 これらの検査によって,ヒルシュスプルング病,鎖肛(直腸肛門奇形),二分脊椎など,手術が有効であると診断された場合には,その病気や状態に応じた適切な手術を行う必要があります.
 しかし,便秘の大部分は,結腸が長い,腸の動きが悪い,腸の水分の吸収が少ないなど,原因としてあげることはできても特定はできない,いわゆる特発性のものが多いです.
 小児では2~3日以上排便がなければ治療を受けたほうがよいでしょう.治療の目標は,腸に貯まった便をなくして,1~2日に1度の排便が続くようにするこ とです.便のかたまりが貯まっているときは,まず直腸に貯まっている便を出します.そのためにまず浣腸や洗腸を行い,さらに薬を服用して毎日排便できるよ うにします.排便の習慣ができるまで時間がかかることも多いので,副作用の少ない薬が必要です.緩下剤が有効で薬を中止できるのは約70%で,残りの 30%は長期にわたっていろいろな薬による治療が必要です.最近は漢方薬も有効とされています.原因のない便秘でも,長い間にわたって便秘がよくならない ときには,内肛門括約筋切除術などの手術を行うこともあります.
 これら便秘の治療には,高度な知識と診断と治療ができる小児外科医の診察をお受けになることをお勧めします.