裂肛

 太くかたい便が肛門を通るときに,肛門の粘膜や皮膚が切れてできる肛門の裂け目(裂傷)のことを裂肛といい,赤ちゃんやこどもの血便の原因としてもっとも多いものです.
 肛門の粘膜にできた傷はふさがるのが早く,外から見てもわかりにくいことが多いのですが,排便のたびに繰り返して裂けると,次第に裂け目が深くなり炎症を 起こします(図1).痛みのために排便を嫌って便が出ないと,さらに便がかたくなり排便のたびに出血したり,おしりの痛みが強くなるという悪循環に陥ります.
 慢性的な裂傷と炎症を繰り返すと,裂け目のまわりの皮膚が「いぼ」のように盛り上がってきます.これは「見張りいぼ」と呼ばれる肛門のひだが腫れあがった状態で,ほかに尖兵ポリープ,皮膚垂とも呼ばれます(図2).
 炎症の強い場合は局所に軟膏などを使用することもありますが,便秘や かたい便が原因であることが多いため,排便のコントロールを行い肛門部の清潔を保つことがもっとも大切です.排便が順調になれば,裂傷の繰り返しがなくな り,「見張りいぼ」も小さくなってきます.治ったあとに肛門のひだのふくらみが残ることもありますが,手術の必要はほとんどありません.
 こどもさんの血便や排便時の痛み,肛門周囲の「いぼ」,などの症状が気になったときは,かかりつけの小児科の先生や小児外科医にご相談ください.

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図1 裂肛
前方、後方の矢印の部分に裂け目がみられる

図2 裂肛でみられる「見張りいぼ」
前方、後方の矢印の部分に皮膚の腫れとしてみられる