用語集

心エコー検査

人には聞こえない音(超音波)を胸の表面から心臓にあて,はねかえってくる信号を集めて,画像にしたものです.人に害のない音を使用し,ベットサイドでできる検査です.ただ,小さなお子様の場合,泣いてしまうと正しい判断が難しくなるため,眠くなるお薬を使用し,検査することがあります.この検査によって,心臓のかたち,血液の流れ,心臓のはたらき具合がわかります.診断をつけるためのひとつの検査であり,また,病気の経過をみていくための“聴診器代わり”の検査です.

心臓カテーテル検査

心臓の病気の診断をつけるための検査のひとつです.一般的に手術をする時期に行なわれることが多いです.エックス線カメラのもとで検査は行なわれます.カテーテルとは,太さが2mmぐらいの細く軟らかいチューブです.こどもでは,このカテーテルを太ももの付け根にある太い血管から入れていきます.太ももの付け根には,痛み止めの注射(局所麻酔)を行います.小さなこどもでは,安全にかつスムーズに検査が進めることができるよう,眠くなるお薬を使用します.カテーテルを心臓の中の部屋や血管に進め,血液を採取したり血圧を測ったりします.これによって心臓のはたらき具合がわかります.また造影剤(レントゲンに映る液体の薬)をカテーテルの中から心臓の部屋や血管に流し,かたちや動きを調べます.

気管支鏡検査

気管支鏡検査とは,内視鏡を使用して気道を検査する方法です.使用する内視鏡にはおおまかに2種類あります.気管支ファイバースコープ(bronchofiberscope)は,軟らかく先端が自在に曲げることができるもので,必ずしも全身麻酔を必要とせず,末梢の気道をみるのに優れています.硬性気管支鏡は,先端まで硬くまっすぐで,全身麻酔が必要ですが,気管内異物の摘出や生検などの処置を行ううえで優れています.対象疾患としては,気管狭窄症気管・気管支軟化症,気管支分岐異常,瘻孔形成,粘膜の異常,気道異物などがあります.
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造影CT

コンピューター断層撮影(CT)は得られる情報量が多いため,近年多くの症例で施行されています.
造影CTとは,造影剤を血管から注射してCTを撮影する検査で,血管や病巣がよりはっきりする利点があります.副作用としては注射後数分以内に起きる即時型のものと,数時間から数日後に起きる遅発型があります.具体的には以下のものがあげられます.喘息,蕁麻疹,湿疹などのアレルギー疾患の既往のある患者様は,正常人に比べて副作用が起きやすいとの報告があるため,注意が必要です.

レベル 種類 頻度 治療法
軽度 皮膚の紅潮,灼熱感,蕁麻疹,発汗,頭痛,悪心,嘔吐,動悸など 約3%以下 安静のみで特別な治療を必要としない.
中等度 失神,声門浮腫,呼吸困難,血圧低下など 約0.1から0.01%以下 治療が必要.場合によっては入院が必要.
高度 心停止,ショック,死亡など 約25万人から30万人に
1人
入院が必要.

大動脈造影(血管造影)

通常のエックス線撮影では,骨などの硬いものはよく写りますが,臓器・血管・筋肉などの軟らかい組織を写し,その形や機能をみることは困難です.そこで検査目的の血管に,直径2mm前後のカテーテルとよばれる細い管を,そけい部の動脈または静脈から挿入し,これを目的の部位近くまで進めて,そこから造影剤を血管に入れながら連続してエックス線撮影を行います.これによって血管の形や血液の流れを知ることができます.また,臓器に入る動脈に対して血管造影をすることで,その臓器や組織の血液の動きや状態を知ることもできます.CT,MRIなどの画像検査と比較して,いわゆる痛みや被爆などを受ける侵襲的な検査法に含まれます.造影剤を血管に入れるときに多少の熱感を伴いますが,苦痛を伴うことはありません.検査が終了し,カテーテルを抜いたあとは,血管を圧迫して充分に止血します.
小児では,先天性心疾患や後天性心疾患(川崎病など)の患者さんに対して,心内圧測定,心室造影,大血管造影が主に行われます.心血管内に造影剤を注入することにより,孔の大きさ,心内の部屋・血管の大きさ・形などを実際にみることが可能となります.また,動脈管の閉鎖など,治療にも用いられます.

血管造影検査による合併症・副作用
手技に関係する合併症
(1)出血および血腫
(2)動脈の攣縮
(3)動脈の内膜損傷,穿孔
(4)動脈血栓および塞栓

造影剤による副作用
用いられる造影剤はヨード系造影剤です.造影剤を体内に注入すると多少の熱感を伴いますが,これは正常な反応です.副作用は注射後,約5~10分以内に起こることが多いですが,検査の数時間後に起こることもあります.

副作用の症状
軽症:熱感,悪心・嘔吐,くしゃみ,発赤,蕁麻疹
中等症:蒼白・発汗・冷汗,呼吸困難(浮腫,気管支痙攣,喘息),蕁麻疹(広範囲)
重症:意識低下・喪失,心筋虚血,不整脈,痙攣
重篤:心肺機能停止
とくに以下の既往症がある子供さんは注意が必要です.
(1)喘息の既往がある
(2)過去にヨード系造影剤による副作用歴がある
(3)甲状腺機能亢進症やヨード過敏症をもっている
(4)腎機能が低下している

理学療法

小児の理学療法では,成長・発達の問題がありますので,成人に対する理学療法とは異なります.そのため障害の評価や治療プログラムに特有の問題が生じることがあります.
小児理学療法は,生まれつき,または生まれてからの病気などにより,発達や運動機能に障害を持ったこどもや,発達に影響があると思われるこどもに対して,発達を促し運動機能を高める目的で行われます.そのために発達を妨げる呼吸機能の障害や,骨・関節の変形やこわばりなどをよくするための援助を積極的に行います.未熟児(低出生体重児)は,外部環境に適応することが難しいため,発達を促すための援助や,ご両親に対するアドバイスを行います.また日常の生活をよりよく送るための装具や,車いす・座位保持装置などを製作するにあたってのアドバイスも必要に応じて行います.
主な病気には,脳性麻痺,小児神経筋疾患,小児整形外科疾患,重症心身障害児,運動発達遅滞児,未熟児,ハイリスク児,ダウン症,長期臥床患児などがあります.
理学療法の内容は,物理療法(電気治療・寒冷療法・温熱療法など),運動療法(身体運動・関節運動・筋力増強など)を用いて,痛みの軽減,循環の改善,関節運動の改善,筋力の向上,動作の改善などを行います.これらによって障害(基本動作能力低下)に対する治療,訓練を行い,正しい運動の指導,障害の予防を行い,健康な状態を取り戻すことを目標に行われます.

成分栄養療法(ED)

さまざまな腸の病気のために普通の食事やミルクが摂れない場合に,あらかじめ消化をほとんど必要としない形(消化態という)に調整した栄養分を腸に送りこむことによって,栄養状態をよくしたり,病気の治療に役立てる方法をいいます.この治療法に用いられる成分栄養剤(elemental diet: EDという)は,糖質としてブドウ糖など,窒素源としてアミノ酸やオリゴペプチドなどを含み,脂肪分は少なくしてあります.口から摂取できない場合は,これらの栄養成分を鼻の穴や,お腹の壁に作った腸瘻から,柔らかいチューブを通して,胃や小腸の内腔に注入します.

狭窄(きょうさく)

管になっている臓器(食道・胃・腸・胆管・気管・尿管・血管など)の一部が狭くなって,通過が妨げられている状態をいいます.狭くなる原因はいろいろあり,管自身が細い,管の壁が厚くなる,管の中に余分なものができる,管の外から圧迫される,管がねじれる・折れるなどがあります.多くの場合は手術的に狭くなっている部分を取り除く必要がありますが,風船や器具を使って拡げる方法もあります.
狭窄が原因になる病気としては,腸閉塞症・先天性腸狭窄症・肥厚性幽門狭窄症・水腎症・水尿管症などが代表的なものです.

食道内圧検査

食道の中の圧力を調べることによって,食道の運動機能を知ることができます.等間隔で2から3ヶ所の圧を同時に測ると,食道が食べ物をはこぶための蠕動(ぜんどう)運動の状態がわかります.蠕動運動の圧力・速度・方向・頻度などをみます.また,胃と食道の移行部(噴門)には下部食道括約機構という逆流を防ぐしくみがあり,この部分の圧力・長さなどが十分でないと胃食道逆流がおこります.食道内圧検査はこのしくみの状態を知るための重要な検査です.

食道透視検査

食道の中を通る造影剤をレントゲン透視でみる検査です.食道内が造影剤によってコーティングされその形が見えるようになり,狭窄や食道外からの圧迫などが診断できます.胃と食道が作る角度と,胃と食道の移行部(噴門)の位置は胃食道逆流症では重要な情報です.

24時間食道内pH検査

食道内の酸度(pH)を24時間連続して計る検査です.食道内は普通,中性ですが胃液が逆流してくると,胃液の中の塩酸のために酸性になります.したがって,食道の中が酸性になる回数や時間を測ると胃液の逆流がどの程度起こっているかを知ることができます.胃食道逆流症では必須の検査と言えます.最近では携帯型の計測器ができているので,通常の生活をしながらでも検査することができるようになっています.

食道内視鏡検査

食道内の状態をファイバースコープを使ってみる検査です.粘膜の状態を目で見ることができるため,食道炎・潰瘍・食道静脈瘤の診断には欠かせない検査ですが,小児では多くの場合全身麻酔が必要です.
食道静脈瘤がある時は食道内視鏡は検査だけでなく,治療のためにも用いられます.硬化剤を注入したり,静脈瘤を結んだりして,静脈瘤からの出血を防ぎます.

穿孔(せんこう)

管になっている臓器(胃・腸・胆管・尿管など)の壁に孔があくことをいいます.内容物が外に漏れ出るので,腹膜炎などの厄介な病気を引き起こします.
穿孔の原因で最も多いのは潰瘍で,胃穿孔・十二指腸穿孔などが代表的なものですが,管の中の圧力が上がりすぎておこる事もあります.釘やピンなどの異物を飲み込んだ時も穿孔がおこることがあります.固い異物が食道に引っ掛かっている時も食道の壁を圧迫して穿孔を起こすことがあります.そのほか,自転車で転んでハンドルでお腹を打った時も腸穿孔の可能性があるので注意深い観察が必要です.

症候群

ある所見や症状に,一見関係のなさそうなその他の所見や症状が高頻度に現れる場合,それらが群をなして出現するという意味で症候群という言葉を用いて病気を表現します.?
たとえば,ウィルムス腫瘍の場合,ウィルムス腫瘍(Wilms' tumor)に無虹彩症(Aniridia),泌尿生殖器奇形(Genitourinary malformation),精神発育遅滞(Retaradation)を合併した場合を各症状の頭文字をとってWAGR症候群と呼びます.また,半身肥大や内臓肥大に,巨大舌と臍帯異常を合併する場合に,報告者の名前をつけてBeckwith-Wiedemann症候群と呼びますが,この症候群にウィルス腫瘍がよく発生することがわかっています.

腫瘍血栓

肝芽腫やウィルムス腫瘍では,腫瘍が血管内に伸展・発育した結果,下大静脈などの大きな血管の内腔を閉塞するように成長する場合があります.血管が血栓ができたときのように腫瘍で閉塞されるためこの状態を腫瘍血栓とよんでいます.

超音波検査

超音波を身体の中に発射してその反射を捉えて画面に画像を描く検査法です.今のところ,超音波にはレントゲンのような害はないとされているので,何度でも気軽に検査できるのが利点です.すでに聴診器と同じように診療には欠かせない器械となっています.
断面像ではありますが,体内で動いているものをリアルタイムに見ることができるのも大きな利点で,胎内にいる赤ちゃんの動きを見られた方も多いと思います.超音波検査の発達によって産まれる前に赤ちゃんの異常が発見できるようになりました(出生前診断).このため,小児外科医は赤ちゃんが産まれる前から手術の準備ができるようになり,治療成績の向上に貢献しています.

CT

Computed tomograph (コンピュータによる断層撮影)の略です.X線を身体の周り360度から入射して,X線が吸収される度合を全角度についてコンピュータで計算してからだの断面像を作る方法です.通常おとなでは1 cm間隔,こどもでは5~7 mm間隔の断面像を作ります.1方向からだけの通常のX線撮影よりも沢山の情報を得る事ができます.?
最近では見たい臓器だけを立体的に見る事もできるようになっており,診断や手術の準備として活用されています.

MRI

Magnetic resonance imaging (磁気共鳴撮像)の略です.CTとよく似た像が得られますが,原理が異なるためCTでは作成できない断面像を作る事ができます.また,組織の性状なども画像に反映されるため,より詳細な情報を知ることができます.CTと異なりX線被曝がないことも利点です.?
しかし,細長い筒の中に入らないといけないので閉所恐怖症の人では検査ができません.長い時間じっとしていないといけないのでこどもでは睡眠剤や麻酔を必要とする事がしばしばです.また,きわめて強力な磁石を使用しますので身体の中に金属が入っている人も検査ができません.

壊死(えし)

身体の臓器・組織・細胞の一部が死んだ状態を壊死といいます.血液が流れなくなったり,細菌が増殖したり,有害な物質に接触したりして,細胞の生命活動が障害された結果,壊死がおきます.細胞の死に方にもいろいろな状態があり,顕微鏡で壊死の状態を調べることにより,病気の原因が判ることがあります.
多くの病気が大なり小なり壊死を伴っていますが,壊死が中心になる病気としてはヘルニアの嵌頓(かんとん),腸重積,精巣捻転症,新生児の壊死性腸炎などが代表的なものです.

横隔膜

胸とお腹を隔てる筋肉でできた膜を横隔膜といいます.横隔膜がゆるんだり緊張したりする事によって腹式呼吸を行います.赤ちゃんは胸式呼吸ができず,大部分が腹式呼吸によっているので,横隔膜の運動が制限されると呼吸困難に陥りやすくなります.
横隔膜の病気としては横隔膜ヘルニア,横隔膜弛緩症などがあります.

横紋筋・平滑筋

筋肉には大きく分けて,横紋筋(おうもんきん)と平滑筋(へいかつきん)の2種類があります.横紋筋は手足や体などにある赤っぽい筋肉で,自分の意志で動かすことができる筋肉です(随意筋).平滑筋は腸などにある白っぽい筋肉で,自分の意志では動かすことはできません(不随意筋).心臓にある心筋は構造は横紋筋に近いのですが,自分の意志で動かすことができないという点では平滑筋のような性質をもった特殊な筋肉です.

気管

tr_trs.giftr_3d.gif 気管は鼻,喉と肺をつなぐ管で,一番上に声を出すための声帯がついています.下の端は二股に別れ,左右の気管支となっています.空気の通り道なので,管がつぶれないように一部が欠けた輪状の軟骨がたくさん並んで支えています.軟骨の輪が欠けた部分は気管の背中側にあり,膜様部という柔らかい膜になっています.

気管狭窄

tr-st.gif 気管の狭窄はその長さや形がさまざまです.左端は気管のほぼ全長にわたる狭窄,中央は気管の下端の狭窄と右気管支の異常分岐,右端はほぼ全長にわたる狭窄と右気管支の欠損(右肺の欠損)をしめしています.

大腸の構造

大腸は小腸で栄養を吸収された残りかすから水分を吸収するのが主な役割です.単純な仕事ですが,大腸の病気になると下痢が続くことになります.
便を出したり,我慢したりできるのは直腸と肛門がちゃんと働いているからで,この部分の働きが弱くなると,便のコントロールが難しくなります.


colon.gif 大腸は結腸と直腸からなり,右の下腹から始まりお腹を一回りしています.
小腸(回腸)から大腸へのつなぎ目を回盲弁といいます.腸重積症はこの部分によくおこります.回盲弁の所から袋状の盲端になっている所を盲腸といい,草食動物では大きいのですが,人ではあまり大きくありません.盲腸の先端についているのが虫垂突起で,ここが化膿すると急性虫垂炎(いわゆる盲腸)になります.
結腸が回盲弁から頭側へ上がってゆく部分を上行結腸,そこから左へ行く部分を横行結腸,足側へ下がってゆく部分を下行結腸といい,下行結腸と直腸の間はたるみがあり曲がりくねっているのでS状結腸といいます.直腸は肛門で終わっています.

腹膜炎

胃腸や肝臓などの内臓が入っている場所を腹腔といいますが,この腹腔内に炎症がおこった状態を腹膜炎といいます.炎症が腹腔の一部に限られているものを限局性腹膜炎,腹腔全体に広がっているものを汎発性腹膜炎(はんぱつせいふくまくえん)といいます.
炎症がおこる原因はいろいろありますが,一番多いのが細菌による化膿性(かのうせい)腹膜炎です.胃腸の壁に孔が開いて(穿孔)細菌をいっぱいふくんだ胃腸の内容が腹腔に漏れ出たり,虫垂炎のように内臓の一部に化膿が起こってその膿が広がったりして腹膜炎になります.急性膵炎の時は膵臓から分泌される非常に消化力の強い膵液が腹腔内に漏れ出るために腹膜炎になります.膵液の消化刺激による炎症なので化膿性腹膜炎ではありませんが,これに細菌の感染(かんせん)が起こって化膿性となることもあります.
腹膜炎の症状は年齢によってかなり違います.おとなではお腹の痛みが非常に強く,お腹の壁(腹壁)の筋肉が緊張して木の板のように固くなります.しかし,新生児ではお腹の壁の筋肉にそれ程力がないため固くならず,お腹が大きく膨らんできます.これは腹膜炎がおこると腸が麻痺して,腸の中にガスや腸液が溜まってしまうためです(麻痺性腸閉塞).穿孔がおこった時には腹腔の中にもガスが入っています.?
腹膜炎の時は腹腔の中の膿など,炎症の原因になるものをお腹の外に誘導してやるために管を入れます.この管から膿が出てこなくなるまでは入れておかなくてはなりません.

生理食塩水

生物は海で発生したため,身体の中の水分(体液)も海水に近い成分を含んでおり,これらを電解質といいます.主な成分は食塩(NaCl)でナトリウム(Na)とクロール(Cl)からなっています.その他の電解質としてはカリウム(K),カルシウム(Ca)などが代表的なものです.体液のナトリウム・クロールの濃度に近い組成に調整したものが生理食塩水(生理的食塩水)で,身体の中にいれる水分はすべて生理食塩水かそれに準じた組成の液を使います.

自律神経

外界の変化に対応できるように内臓機能を調節している神経系を自律神経とよび,交感神経と副交感神経に分類することができます.交感神経が働くと,血圧を上昇させたり,心拍数を上げたり,瞳孔を拡大させたり,立毛や発汗,さらに胃腸の運動を減弱させます.副交感神経は,交感神経とは逆の作用をもち,両者がうまくバランスをとって内臓機能を調節しています.?
交感神経を司る細胞は,交感神経節とよばれる脊髄に沿った部位に位置し,頸部から仙骨部まで広い領域に分布しています.カテコールアミン(アドレナリンとノルアドレナリン)を分泌します.

副腎

adr_glnd.gif 腎臓の上に帽子のように乗っかっている小さな組織です.外側にある皮質と中心部にある髄質に分かれています.皮質は,ステロイドホルモンを産生する細胞で,髄質は,カテコールアミン(アドレナリンとノルアドレナリン)を産生する細胞です.神経芽腫は,髄質の細胞より発生します.

後腹膜

腹膜は内臓組織を包んでいますが,体の背部にある膵臓や腎臓は腹膜の後ろ(背側)にあり,後腹膜臓器と呼ばれています.?
腹部に発生する神経芽腫は,副腎の場合と交感神経節の場合にわかれますが,交感神経節から発生する場合を,後腹膜原発と分類しています.

縦隔

胸腔のなかで,両側を肺に囲まれ前面が胸骨の後面で後面を椎体前面とする領域を縦隔といいます.縦隔には最も大きな容積をしめる心臓の他に,食道や気管が椎体の前面にあり,椎体の側方には交感神経節が分布しています.交感神経節が分布する領域を縦隔の中でも後縦隔と呼び,神経芽腫はこの部分より発生するため,胸腔内にできた神経芽腫を,後縦隔原発神経芽腫とよんでいます.

遺伝子

細胞の設計図にあたる情報がおさめられていると考えられている物質で,全ての細胞の核の中に存在しています.?
癌の発生は,遺伝子の突然変異が原因で,異常な情報が伝達され細胞の機能に異常が発生したり,間違った物質が産生されたり,癌化を抑制する仕組みが障害されるために,細胞が癌化すると考えられていいます.
神経芽腫でも多くの遺伝子異常が発見され,ある遺伝子異常のタイプによっては,化学療法に対する反応が異なったり,転移をしやすかったりすることがわかってきています.N-myc遺伝子は,その代表的遺伝子で,神経芽腫でこの遺伝子の発現が増幅している場合は,そうでない場合に比べて治療効果が少ないことがわかっています.

受容体

受容体とは,薬物を鍵にたとえた場合,受容体は細胞の鍵穴に相当するものです.ある物質が細胞の受容体に作用することにより,細胞に作用を及ぼすことができます.?
遺伝子異常がある物質をつくることがわかっている場合,その物質だけでなくその受容体の状態も腫瘍の性状を決定する要因となります.

造血幹細胞移植

強力な化学療法を行うことにより癌の抑制効果は高まりますが,副作用として長期間にわたる骨髄抑制が発生し,重篤な感染症の原因となります.骨髄細胞は,赤血球,白血球,血小板などの細胞に分化してゆきますが,もともとは幹細胞とよばれる大本の細胞が分化成長して造られることがわかっています.強力な化学療法を行った後に,この幹細胞を移植することにより骨髄抑制を改善する方法が,造血幹細胞移植で,現在では,幹細胞をどのように採取するかによって,骨髄移植,末梢血幹細胞移植,臍帯血幹細胞移植などにわかれています.

疼痛・痛み

痛みは体の悪い部分に起るいろいろな刺激によって発生し,痛みの場所や性質によって考えるべき病気がちがってきます.痛みの性質をあらわす言葉はたくさんありますが,その一部を紹介すると:?
鈍痛:痛みがあることは感じるけれども,はっきりとその発生場所を指摘できないような痛みで,その程度も軽いことが多い.
疝痛:キューッとさし込むような,しぼり込むような痛みで,強くなったり弱くなったりする痛み.

腎不全

急性もしくは慢性的な原因で腎臓の機能が悪くなり,むくみや血液が酸性にかたむくといった症状がでてくる状態を腎不全といいます.ひどくなると腎透析が必要となります.

瘻孔・洞・嚢胞

先天性に,あるいは細菌の感染・刺激の強い液の漏れなどにより,本来ないはずの空間が身体の一部にできる事があります.
瘻孔(ろうこう)とは管になった臓器同志,あるいは管の臓器と体表などの間にできる管状の孔で,両端が開放しているものをいいます.食道閉鎖症での気管食道瘻,肛門のところにできる痔瘻などが代表的なものです.?
洞(どう)とは瘻孔の一端が閉じているものをいいます.側頸瘻や梨状窩瘻は多くの場合洞になっています.瘻孔と洞は厳密に区別せず,同じ意味で使う事もあります.  嚢胞(のうほう)は瘻孔の両端が閉じているか,きわめて細いため,中に液体などが溜まった状態をいいます.正中頸嚢胞が代表的なものです.

胃瘻

口からミルクや食物が摂れないとき,あるいは胃液が食道に逆流するのを防ぐためなどで,みぞおちのところから胃の中に管を入れて置くことがあります.これを胃瘻と言い,胃瘻を作る事を胃瘻造設とよんでいます.この管をとおしてミルクや栄養剤を注入したり,胃液を排除したりします.

敗血症

細菌感染の中で一番重症な状態です.細菌は身体の一部に取り付いて増えてゆきますが,増えすぎると血液の中に入って全身に細菌がばらまかれる状態になり,この状態を敗血症といいます.細菌自身や,細菌が作り出す毒素によって大事な臓器が障害され,死にいたる事になります.大量の抗生剤などによる集中治療が必要です.

ブジー

管になった臓器の細い部分(狭窄)を拡げるためにそれより少し太い器具をとおして拡張する事,および拡張する器具の事をブジーといいます.
食道閉鎖では食道の盲端を伸ばすために用いたり,食道をつないだ後の狭窄に使ったりと,よく利用されます.

シンチグラフィー

微量の放射線同位元素(ラジオアイソトープ)を注射・内服・吸入などで身体に入れて,身体の中でのアイソトープの分布状況をガンマカメラで撮影する検査です.特定の組織や細胞に親和性の高いアイソトープを選ぶ事によって,目的とする病変や,臓器の機能を詳しく知ることができます.

ERCP

Endoscopic retrograde cholangiopancreatography (内視鏡的逆行性胆管膵管造影)の略です.ファイバースコープを十二指腸に入れ,十二指腸に開口する胆管・膵管の入り口から造影剤を注入してレントゲン撮影を行います.胆管と膵管のみを詳細に観察する事ができ,肝臓・胆道・膵臓の病気ではよく行われます.
ファイバースコープを入れるため,小さいこどもでは麻酔が必要です.

胎便

一般に新生児の分娩後まもなく排出される便で,2~4日間持続し,緑黒色から黄褐色の粘稠性の便です.赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるときは赤ちゃんを包んでいる羊水を飲み込んでおり,胎便の成分は羊水の中に混ざっている赤ちゃんの皮膚や毛の脱落したものや腸管に由来するものなどが含まれています.

腸瘻(ちょうろう)

腸の途中を体の外に出すことをいいます.腸の壁に穴があいて(穿孔)腸の内容がお腹の中に漏れると腹膜炎になってしまいます.腹膜炎がひどくて,状態が悪いときに一時的に腸内容を体の外にだし,腹膜炎がおさまるのを待つときに用いる方法です.また,直腸肛門奇形やヒルシュスプルング病などで便が出にくいときに,便を出すために腸瘻を作ることもあり,これを人工肛門といいます.小児では腸瘻はほとんどが一時的な手段で,腸をつなぎなおしてお腹の中に納めてやります.

肝移植術

肝移植術とは,いろいろな原因によって患者さんの肝臓の機能が著しく低下し生命にかかわる状態になったときに,患者さん本人の肝臓を取り除き,これを提供者(ドナー)の肝臓の一部または全部と入れ替えて患者さんの救命をはかる手術です.肝移植には患者さんの肉親がドナーとなり,その肝臓の一部を患者さんにあげる生体部分肝移植と,死んだひとをドナーとする死体(脳死)肝移植があります.人間は病原菌などが体外から侵入した場合にこれを殺す機能を自然に身に付けており,この機能を免疫といいますが,病原菌以外にも肝移植のように他人(肉親でも,一卵性双生児以外は免疫の上では他人です)の臓器が移植されたときも,人間は同様に免疫によってこれを排除しようとします.これが拒絶反応です.拒絶反応を抑えて移植手術を成功させるためには薬(免疫抑制剤)による治療が必要です.

上行性胆管炎

胆道閉鎖症の手術後に多くみられ,肝臓とつながれた腸の内容が肝臓に流れ込むことが感染の原因として考えられています.胆汁の流れを悪くするため,手術後の経過に重大な影響を与えることから,その防止・治療がこの病気全体の治療にとってきわめて重要とされています.発熱,黄疸(直接ビリルビン上昇),白血球の数が増す,細菌感染症を示す検査の値(CRP)が上昇する等で診断され,これらを認めたならば,直ちに抗生剤や利胆剤による治療を行なうことが大切です.

門脈圧亢進症

肝臓が硬くなって肝臓の中の門脈という血管中の血液の流れがじゃまされることによって生じる現象で,食道の静脈が瘤のように腫れたり(食道静脈瘤),脾臓が腫れて血小板という出血を留める役目をもつ血液中の物質の数が減ったりすること(脾機能亢進症)などがみられます.静脈瘤に対する処置として,内視鏡を用いて静脈瘤を薬で固めたり(硬化療法)縛ったり(結紮術)することができ,これでコントロールできないような重症例には手術が行なわれます.手術方法としては,食道と胃を切りはなして再度つなぎ直す方法(食道離断術),門脈の血液を腎臓の血管に逃がしてやる方法(脾腎静脈シャント手術)などがありますが,肝移植が必要となる場合も少なくありません. また食道胃以外の部分に静脈瘤ができると,内視鏡で治療ができないため,有効な治療方法がなく肝移植が必要となることがありあます.
門脈圧亢進症としてもうひとつ重要なものが脾機能亢進症です.これは門脈圧が高まることに伴い,脾臓が大きくなり,血液の成分が盛んに壊され,貧血,白血球減少,血小板減少などをきたすものです.特に血小板が減少すると出血が止まりにくくなり,大きな問題となります.この治療としては,成人では脾臓を取り除く手術(摘脾)を行なうことが一般的ですが,少児では摘脾後に重症な感染症にかかる危険が高いため,太股の血管から脾臓に細い管を入れて脾臓の血管の一部をつめて,脾臓を小さくする方法(部分的脾動脈塞栓術)がよく行なわれています.

肝内結石症

いわゆる胆石症の一種で,一般には胆嚢の中に石(結石)が作られる胆嚢結石症がよく知られていますが,これに対し肝臓の中の胆管内にできるものを肝内結石症といいます.胆汁の流れが停滞したり,またはこれに感染が加わることが原因と考えられています.この結石の存在がさらに胆汁の流れをじゃまして胆管炎の原因となり,悪循環が生じて,肝臓の障害が急激に進行することがあるため注意が必要です.

肝肺症候群

肝硬変のひとの肺に時にみられる合併症です.肺の主な役割は酸素をあまり含まない肺動脈の血液に酸素を送り込み,酸素をたくさん含む血液に変えてから肺静脈に返すことにあります.ところが肝肺症候群の肺では十分に酸素が供給される前に,肺をバイパスして肺動脈の血液が肺静脈に流れ込んでしまうため,チアノーゼ(唇,指先などが紫色になる),太鼓ばち型の指,息切れなどの症状を示します.さらに進むと常に酸素吸入が必要となり,日常生活は大きく制限されることになります.

肝不全

肝臓が十分にその役割を果たせなくなった状態を肝不全といいます.肝不全用の栄養剤などによりある程度は治療ができますが,進行すると出血が止まらなくなったり,腹水が溜る,意識がもうろうとなるなどの症状が出てきます.このような段階になると命を助けるためには肝移植が必要となります.

QOL

QOLとは "Quality Of Life" つまり「生活・人生の質」を意味する言葉です.病気を治しても,治療の副作用でハンディキャップを残すとその後の生活に様々な支障を来す事になります.抗癌剤の副作用で腎臓や肝臓などの内臓に障害が残ったり,手術による傷痕などがあると,QOLは低下する事になります.
最近では病気が治った後はできるかぎり普通の生活に戻れるように考慮した治療を選択するようになっています.これをQOLを考えた治療といいます.

ダウン症候群

第21番染色体が1本過剰なために起こる症候群です.精神遅滞と特異な顔貌を有し,多発する大小奇形が主な症状です.

脱水

身体の中の水分が不足した状態を脱水といいます.ひどい嘔吐や下痢で水分が多量に失われたり,経口摂取ができなくて水分の補給がない事が原因となります.脱水になると身体の機能の調節がうまくゆかなくなるため,危険な状態に陥ります.経口摂取ができるときはできるだけ水分を飲ませ,経口摂取のできないときは点滴で水分を補給します.

短小腸

小腸がなんらかの原因で短くなり,自分に必要な栄養の一部しか自分の腸で消化吸収できなくなった状態を短小腸あるいは短腸症候群といいます.残った小腸が半分以下になると消化吸収が悪くなり,下痢をきたしやすくなります.残った小腸が短いほどひどい下痢となり,小腸がほとんどなくなったときは,水分・栄養補給を全て点滴でおこなわなければならなくなります.

膿瘍

細菌の感染により化膿して膿が一ヶ所に集まった状態を膿瘍といいます.皮膚の表面に近ければその部分の皮膚は赤くなり,熱をもち,痛みがあります.身体の奥のほうにできたときは,発熱・痛みなどをきたします.膿が身体の外に出るように道をつくってやる必要があり,切開やチューブを置いておくような治療を行います.

胃の構造

stomach.gif 胃は食道と十二指腸の間にあります.胃の入り口,食道とのつなぎ目を噴門,出口つまり十二指腸とのつなぎ目を幽門といいます.胃のてっぺん付近を胃窮隆部,中心になる部分を胃体部,胃の出口に近い部分を胃前庭部とわけて呼びます.また,胃の上側の彎曲を小弯,下側の長い彎曲を大弯といいます.小弯の真ん中あたりの彎曲の強い所は胃角部といい,胃潰瘍がよくできる場所です.

メッケル憩室

赤ちゃんがまだ親指の爪よりも小さいときには,卵黄(卵の黄身)をもっておりこの栄養を吸収するために腸との間に卵黄嚢管という管がつながっています.この管はお臍を貫いていますが,ごく早い時期に消えてなくなってしまいます.この管が消えそこなって腸とつながっているあたりが残ったものがメッケル憩室で,小腸の一部が袋状に飛び出す形になります.メッケル憩室の内側に胃の粘膜があることがあり,胃液の強い酸により周りの小腸粘膜に潰瘍ができ,出血をおこします.また,憩室が原因となって腸重積をきたすこともあります.

迷入組織

本来あるはずのない組織が間違って入り込んでいるものを迷入組織といいます.例えば,胃や腸の壁に膵臓の組織が入り込んでいたり,小腸の粘膜の一部が胃の粘膜になっていたりするような状態です.

ポリープ

管になった臓器(胃,腸,鼻,胆嚢など)の内側は粘膜で被われていますが,一部の粘膜の細胞が増えすぎることにより内側に飛び出した状態をポリープといいます.低い山形のものから,球状になって細い茎で粘膜につながっているものまで,さまざまな形があります.原因は遺伝性,腫瘍性,炎症性などです.消化管出血や腸重積を起こす原因になることがあり,将来かなり高い確率でがんになるものもあります.

ピロリ菌

最近発見された胃粘膜に定着して毒素を出す菌で,胃内の強酸の環境でも生存し,粘膜を傷害し潰瘍の原因と考えられています.胃潰瘍患者さんの65~80%程度,また,十二指腸潰瘍患者さんの90%程度では胃の中にピロリ菌がいることがわかっています.

常染色体優性遺伝

遺伝子は父母からそれぞれ22本の常染色体と1本の性染色体を受け継ぎますが,片方の親からの遺伝子で症状や性質が現れるものを優性遺伝といい,両方の遺伝子がそろわないと現れないものを劣性遺伝といいます.
常染色体優性遺伝とは,病気の遺伝子を持つと必ず病気を発症する病気です.例えば,父方の遺伝子に強力な発現力を持つ疾患遺伝子が存在すると,母方のペアとなる遺伝子が正常であっても,父方の疾患遺伝子が優位に発現し発症します.

常染色体劣性遺伝

常染色体劣性遺伝とは,病気の遺伝子を持っていても,もう片方の遺伝子が正常であれば発症しない病気です.例えば,父方の疾患遺伝子が単独で優位に発現することができない場合は,正常な母方の遺伝子が優位になり,発症はしません.しかし,この疾患遺伝子が父母双方から受け継がれた場合,優劣の競合はないため,発症することになります.

集合管

尿細管が腎盂へ流入する最終の部分をいいます.水・尿素の再吸収により尿量を調節し,ナトリウム再吸収,カリウム排泄により,体液の恒常性を保つ(ホメオスターシス)のに重要な役割を果たしています.集合管は数本の結合管の合流に始まり,皮質集合管,髄質外層集合管,髄質内層集合管,終末髄質内層集合管と経過して腎盂に至ります.

ステロイド

ステロイド核(シクロペンタノ・パーヒドロフェナントレン核)を持つ化合物のことをいいます.天然物として最も広くみられる成分の一つで,ステロール,胆汁酸,性ホルモン,副腎皮質ホルモン,昆虫の変態ホルモンなどの重要な物質を含みます.病院で使われる薬としての副腎皮質ホルモン製剤は,炭素原子21個からなる合成ステロイド薬です.ステロイド薬の薬理作用はたくさんありますが,とくに炎症を抑えたり,免疫力を抑えるなどの目的で使用されることが多いものです.

インターフェロン

ウイルスの感染があれば体はそれに対して防衛しようとしますが,その守る働きを持つ物質のひとつで,ウイルスが増えるのを抑える物質として発見されました.分子量は約1.5万から5万の糖たんぱく質で,白血球や線維芽細胞などから作られるものです.白血球から作られるものはα型インターフェロン,線維芽細胞から作られるものはβ型インターフェロン,感作リンパ球から作られるものはγ型インターフェロンと呼ばれており,これらはそれぞれ物質的,生物的に少しずつ異なっています.それらが効果を出す仕組みは,ウイルスたんぱくが増えるときに必要なたんぱくのコピーをさせないことによるもので,ウイルスの力を直接弱めるためではありません.
インターフェロン製剤は,抗ウイルス作用,抗腫瘍作用,免疫増強作用を発揮するため,いままで治療が困難とされていたウイルス感染症や悪性疾患の治療薬として注目されています.

カサバッハ・メリット症候群

幼小児期に巨大血管腫・血小板減少・全身性紫斑がみられる症候群です.皮下の硬結として生下時または生後3ヶ月までに初発することが多いです.比較的速やかに増大,出血して血管腫全体が暗赤,紫色の巨大な腫瘤になり,多量の血小板が消耗される結果,腫瘤周囲の浮腫,小出血,全身の紫斑がみられるようになり,血液中の血を固まらせる力のある凝固因子が極端に減って全身の出血傾向が出るようになります.

塞栓術

血管をゼラチンスポンジ等の人工物で塞栓することにより,その血管が栄養する腫瘍や組織を壊死させることによって治療効果を得る方法です.主なものに,肝動脈塞栓術,子宮動脈塞栓術,脳動脈塞栓術などがあります.

放射線療法

放射線の医学的利用法です.癌治療の一環として,放射線が持つ電離作用を利用して悪性腫瘍を制御する目的で照射されることがほとんどです.また少ないですが特別な理由により,正常な組織へ照射を行い,機能を低下もしくは停止させる目的での照射もあります.