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先天性食道閉鎖症

 食道閉鎖症は食道が途中で途切れていてミルクが飲めない病気ですが,下の図のように気管との間に 瘻孔 があることが多く,その繋がり方によって5つの型に分類されています.一番多いのは下側の食道が気管とつながっているC型で,8割はこの型です.気管との瘻孔がないA型は1割を占め,上下の食道の間が長く治療が長期にわたることがしばしばです.

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図:食道閉鎖の病型分類

 気管との瘻孔を閉じて,上下の食道同士を手術でつなぐのが基本的な治療方法ですが,食道の間隔が大きく,一度につなげないときはさまざまな補助的な手術を追加して何度かに分けた手術が必要になります.一度につなげないときは 胃瘻 を作るのが一般的です.胃にチューブを挿入してここからミルクを注入します.

 昔は命を助けるために大変な努力が必要な病気でしたが,最近では技術の進歩により治療成績が飛躍的に改善しました.生存する割合は 1998年度の日本の新生児外科集計 では85.6%にまで改善できています.複雑な心臓の病気や現在治療することが出来ない病気を合併しているときに成績が悪くなります.また,上下の食道の間隔がぎりぎりでつなげるようなときは,つないだところが破れて(縫合不全といいます),細菌感染の結果 敗血症 になったり,気管食道瘻が再び開いてしまうこともあり,治療成績が悪くなったり,入院期間が長くなったりします.このようなときはつないだ所が狭くなる( 狭窄 )こともしばしばですが,風船を使って 狭いところを拡げる ことで対処できます.