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肝芽腫(かんがしゅ)

概念
hepatob.jpg  子どもの肝臓に発生する悪性腫瘍(がん)のうち,最も頻度の高いものが「肝芽腫」と呼ばれる病気です.小児固形がんとしては,神経芽腫・ウイルムス腫瘍 (腎芽腫)に次いで多いとされています.肝芽腫に対しては,以前は抗がん剤はあまり有効では無いと考えれていましたが,1990年代になり,実は抗がん剤 が良く効くことが分かって来ました.その結果,手術が不可能な大きな腫瘍でも抗がん剤の助けで手術が可能になり,治るお子さんも増えて来ています.

発生頻度
 日本における肝芽腫の年間発生数は正確には分かりませんが,およそ30~40人程度と考えられています.お子さん数万人から数10万人に1人の割合で病気が発生することになります.

診断
 年長児にも発生しますが,大部分は幼稚園児以下の小さいお子さん(あるいは赤ちゃん)に発生します.お腹に固い「しこり」が触れたら,迷わず医療機関を受診しましょう. 超音波検査 などの画像検査で「しこり」が確認され,血液検査でAFPと呼ばれる特殊な蛋白質が増えていれば,診断は肝芽腫でほぼ間違いありません.

治療
 抗がん剤と手術の組み合わせが治療の基本となります.手術だけで肝芽腫を治そうとする考え方は,あまり一般的では無くなって来ました.特に,発見された時 点で,腫瘍が大きすぎて手術が出来なかったり,すでに肺などに転移している時は,抗がん剤なしでは治癒は期待できません.したがって,全体として最低でも 数ヶ月の治療が必要になります.

治療の現状
 全体の約3/4のお子さんが元気に退院していきます.特に,腫瘍が肝臓の半分以下の大きさにとどまっている場合,治療成績が良好です.また,診断から3年 が経過すると再発の可能性は大きく減少します.発見された時に腫瘍が大きすぎて手術が出来ない場合でも,約1/2のお子さんが元気に退院して行きます.し かし,転移のあるお子さんでは,治る割合は約1/3くらいになってしまい,入院期間も長期に及ぶことがあります.