日本小児外科学会
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小児がん登録の推移と登録のお願い

登録のお願い

 日本小児外科学会では,昭和46年から小児における主要な固形腫瘍である神経芽腫群腫瘍,腎悪性腫瘍,肝悪性腫瘍,横紋筋肉腫,奇形腫群腫瘍の登録システムを開始し30年以上が経過いたしました.その間当委員会では,多くの小児外科,小児科をはじめいろいろな科の先生方のご協力を賜り国際的に通用する良質で高い登録率と追跡率を目指し努力して参りました.毎年,学会雑誌の1号に年次登録を掲載するとともに5年毎に追跡調査結果を集計し,わが国における小児固形腫瘍の統計として真っ先に利用される基礎資料として非常に大きな役割を果たしております.より正確なわが国での小児固形腫瘍の発生数およびその治療成績を明らかにし,その治療に反映することが学会として重要な役割と考えております.

 小児がん登録には出来るだけ多くの先生方のご協力や他の学会・登録委員会との連携が必要と考えております.とくに,会員の先生方はもとより小児科,整形外科,耳鼻咽喉科,泌尿器科,産婦人科,脳神経外科,放射線科,病理科の先生方にも是非ご協力いただきたいと存じます.

 平成17年以降は疫学に関する倫理指針や個人情報保護法案を遵守した登録システムを検討しています.同意書の取得などが必要になるものと思いますが,ご理解頂きたいと思います.

 当悪性腫瘍委員会では全国を10地区に分け,各地区センターごとに登録症例を集め,それらを全国レベルで腫瘍の種類別に統計解析を行っています.会員または会員以外の先生方には下記の地区センター幹事までご連絡いただければ登録票及び必要書類をお送りいたします.

 何卒本学会の登録にご協力のほどお願い申し上げます.

 なお,小児がん登録に関する“説明文書”と“同意書”,“同意取り消し依頼書”及び“小児悪性固形腫瘍登録用紙”は,会員用ページからダウンロードできます.

2009年登録症例を登録頂いた施設を以下に掲載致します.

・北海道地区(5施設) 北海道大学、旭川医科大学、北海道立子ども医療・療育センター、日鋼記念病院、札幌医科大学
・東北地区(7施設) 弘前大学、盛岡赤十字病院、東北大学、宮城県立こども病院、秋田大学、山形大学、福島県立医科大学
・東京地区(6施設) 杏林大学、国立成育医療センター、昭和大学、東京大学、東邦大学大森病院、日本大学板橋病院
・神奈川地区(4施設) 聖マリアンナ医科大学、東海大学、北里大学、神奈川県立こども医療センター
・関東地区(10施設) 千葉大学、筑波大学、茨城県立こども病院、自治医科大学、獨協医科大学病院、群馬大学、埼玉医科大学、埼玉県立小児医療センター、獨協医科大学越谷病院、さいたま市立病院
・甲信越地区(4施設) 新潟市民病院、新潟大学、長野赤十字病院、長野県立こども病院
・東海・北陸地区(21施設) 富山大学、金沢医科大学、金沢大学、石川県立中央病院、福井大学、福井赤十字病院、岐阜市民病院、岐阜大学、静岡県立こども病院、聖隷浜松病院、愛知県心身障害者コロニー中央病院、安城更生病院、一宮市立市民病院、名古屋医療センター、杉田病院、知多市民病院、藤田保健衛生大学、名古屋市立大学、名古屋大学、名古屋第一赤十字病院、三重大学
・近畿地区(15施設) 滋賀医科大学、京都大学、京都府立医科大学、京都市立病院、大阪大学、大阪府立母子保健総合医療センター、大阪市立総合医療センター、大阪市立大学、大阪府立急性期総合医療センター、近畿大学、神戸大学、神戸市立中央市民病院、兵庫医科大学、兵庫県立こども病院、近畿大学医学部奈良病院
・中国四国地区(10施設) 鳥取大学、岡山医療センター、倉敷中央病院、広島大学、広島県立広島病院、広島市立舟入病院、山口大学、下関市立中央病院、香川大学、高知医療センター
・九州地区(10施設) 九州大学、福岡市立こども病院、飯塚病院、佐賀大学、佐賀県立病院好生館、熊本大学、大分大学、大分県立病院、鹿児島大学、鹿児島市立病院

地区センター一覧

・北海道地区センター幹事   北海道大学医学部 小児外科   本多昌平

・東北地区センター幹事   東北大学医学部 小児外科   佐藤智行

・東京地区センター(東京都)幹事   東京大学医学部 小児外科   杉山正彦

・関東地区センター幹事
(茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県)
  千葉大学医学部 小児外科   菱木知郎

・甲信越地区センター幹事
(新潟県,山梨県,長野県)
  新潟大学医学部 小児外科   仲谷健吾

・神奈川地区センター幹事
(神奈川県)
  聖マリアンナ医科大学 小児外科   脇坂宗親

・東海北陸地区センター幹事   名古屋市立大学病院 小児・移植外科   近藤知史

・近畿地区センター幹事   大阪大学医学部 小児外科   大植孝治

・中国四国地区センター幹事   広島大学病院 小児外科   上松瀬新

・九州地区センター幹事   九州大学医学部 小児外科   田尻達郎

腫瘍登録症例数の経年変化

神経芽腫群腫瘍 神経節腫 神経節芽腫 神経芽腫 判定不能 不明
2009年 106 (4) 7 (1) 8 (0) 79 (3) 0 (0) 12 (0)
2008年 123 (4) 11 (0) 14 (1) 81 (2) 0 (0) 17 (1)
2007年 110 (4) 13 (1) 28 (2) 60 (1) 1 (0) 8 (0)
2006年 101 (9) 8 (0) 13 (2) 67 (7) 0 (0) 13 (0)
2005年 87 (9) 9 (2) 13 (0) 60 (7) 0 (0) 5 (0)
2004年 120 (29) 8 (0) 9 (4) 90 (21) 2 (0) 11 (4)
2003年 236 (152) 11 (0) 38 (29) 148 (90) 2 (1) 37 (32)
2002年 261 (180) 6 (1) 31 (19) 185 (125) 2 (1) 37 (34)
2001年 227 (144) 9 (0) 18 (10) 174 (112) 3 (2) 23 (20)
2000年 227 (143) 6 (0) 21 (12) 178 (114) 1 (0) 21 (17)
( )内はマス・スクリーニング発見症例を示す.
腎悪性腫瘍 腎芽腫 CMN 腎癌 その他 不明
2009年 32 28 1 1 2 0
2008年 41 32 2 2 4 1
2007年 45 34 3 4 3 1
2006年 37 31 2 2 1 1
2005年 34 31 2 1 0 0
2004年 36 32 2 2 0 0
2003年 45 35 2 2 1 5
2002年 55 47 1 5 0 2
2001年 47 39 4 1 2 1
2000年 29 24 3 1 0 1
肝悪性腫瘍 肝芽腫 肝細胞癌 肝未分化肉腫 その他 不明
2009年 46 38 2 2 2 2
2008年 52 39 3 0 3 7
2007年 31 27 1 0 1 2
2006年 23 18 1 1 2 1
2005年 29 21 4 2 2 0
2004年 30 25 1 - 3 1
2003年 38 25 2 - 9 2
2002年 38 33 1 - 3 1
2001年 30 29 0 - 1 0
2000年 33 26 3 - 2 2
*2005年度より組織分類に肝未分化肉腫の項目を追加.
胚細胞
腫瘍
胚細胞
腫瘍分
類不能
未分化
胚細胞
胎児
性癌
卵黄嚢
腫瘍
奇形腫
分類不
奇形腫
成熟型
奇形腫
未熟型
複合
組織
その他 不明
2009年 147 2 6 1 14 7 86 26 2 3 0
2008年 126 0 3 1 8 2 86 13 3 1 9
2007年 127 1 1 1 14 9 73 14 5 3 6
2006年 103 2 3 0 13 0 48 17 5 3 12
2005年 97 2 2 1 8 1 55 18 5 5 0
2004年 106 11 5 1 11 2 53 12 3 3 5
2003年 127 4 8 0 17 1 75 15 3 2 2
2002年 127 11 5 1 15 2 57 31 2 1 2
2001年 111 5 4 0 14 3 49 31 3 1 1
2000年 114 3 4 1 16 3 67 14 4 2 0
横紋筋肉腫
2009年 30
2008年 24
2007年 28
2006年 16
2005年 16
2004年 17
2003年 28
2002年 29
2001年 34
2000年 30
その他の腫瘍
2009年 157
2008年 139
2007年 178
2006年 116
2005年 105
2004年 118
2003年 210
2002年 169
2001年 162
2000年 134
日小外会誌39 83-110,2003
日小外会誌38 69-95, 2002
日小外会誌39 83-110, 2003
日小外会誌40 71-100, 2004
日小外会誌41 51-82, 2005
日小外会誌42 61-90, 2006
日小外会誌43 62-91, 2007
日小外会誌44 38-71, 2008
日小外会誌45 90-126, 2009
日小外会誌46 63-100, 2010

小児固形悪性腫瘍の予後追跡調査結果の報告

―1996〜2000年登録症例について―
日本小児外科学会悪性腫瘍委員会
 小児悪性腫瘍の発生頻度と転帰の傾向を把握することは、小児悪性腫瘍の治療成績の向上、基礎的臨床的研究の発展に必要不可欠です。日本小児外科学会悪性腫瘍委員会(以下、悪性腫瘍委員会)では、主な5腫瘍の年次登録データを基本資料として1971年から1980年登録症例の追跡調査結果を集計解析し、第1回予後追跡調査結果として報告しました(日本小児外科学会雑誌21〜25巻にわけて掲載)。以来、81〜85年登録症例(同33巻5号)、86〜90年登録症例(同35巻4号)、91〜95年登録症例(同39巻5号)に掲載してきましたが、今回は、その5回目として1996-2000年登録症例の追跡調査結果を報告いたしました(同44巻6号に掲載)。
 基本的には、5年を経過した症例の追跡結果を集計しましたが、地区によっては、まとめて集計した結果、6〜10年経過症例のデータも含まれています。登録率の向上をはかるために2006年登録より地区センターの関東・甲信越地区を4つに分割した登録地区とすることとし、東京地区(東京大学)、神奈川地区(聖マリアンナ医科大学)、関東地区(千葉大学)、甲信越地区(新潟大学)としましたが、今回の地区別の集計結果においては、前回までの結果と比較できるように、関東・甲信越地区は4地区の合計とさせていただいています。
 本HPには、各腫瘍の地区別・腫瘍別分布(表1)、登録年別・腫瘍別分布(表2)、年次集計における登録症例数(表3)、性別・腫瘍別分布(表4)、年齢別・腫瘍別分布(表5)、腫瘍別転帰(表6)を掲載いたします。なお、胚細胞腫瘍群においては、良性悪性が混在した統計になっており、悪性胚細胞腫瘍は治療方針も予後も他の奇形腫とは大きく異なるため、腫瘍別統計表上、悪性胚細胞腫瘍の部分を抜き出して記載してあります。
 神経芽腫、腎悪性腫瘍、肝悪性腫瘍、胚細胞腫瘍、横紋筋肉腫、その他の腫瘍に関する、各々の解析結果につきましては、日本小児外科学会雑誌44巻6号をご覧下さい。
表1 地区別・腫瘍別分布
地区 神経芽腫 腎悪性腫瘍 肝悪性腫瘍 胚細胞腫瘍 悪性胚細胞腫瘍 横紋筋肉腫 合計
北海道 74 14 7 32 10 3 140
東北 110 26 19 58 11 21 245
関東・
甲信越
365 19 31 122 18 23 578
東海・
北陸
254 32 25 108 32 25 476
近畿 216 36 28 83 19 31 413
中国・
四国
103 5 4 50 6 4 172
九州 204 45 20 85 18 22 394
合計 1326 177 134 538 114 129 2418
表2 登録年別・腫瘍別分布
登録年 神経芽腫 腎悪性腫瘍 肝悪性腫瘍 胚細胞腫瘍 悪性胚細胞腫瘍 横紋筋肉腫 合計
1996 293 37 19 89 19 26 483
1997 278 29 27 102 23 17 476
1998 239 38 31 90 19 25 442
1999 247 41 27 113 21 25 474
2000 269 32 30 144 32 36 543
合計 1326 177 134 538 114 129 2418
表3 年次集計における登録症例数
登録年 神経芽腫 腎悪性腫瘍 肝悪性腫瘍 胚細胞腫瘍 横紋筋肉腫 合計
1996 273 54 33 118 31 509
1997 276 37 37 123 24 497
1998 229 47 46 105 27 454
1999 228 43 27 123 23 444
2000 227 29 33 114 30 433
合計 1233 210 176 583 135 2337
回収率 97%
表4 性別・腫瘍別分布
性別 神経芽腫 腎悪性腫瘍 肝悪性腫瘍 胚細胞腫瘍 悪性胚細胞腫瘍 横紋筋肉腫 合計
713 98 78 149 56 69 1163
569 79 56 376 57 59 1196
記載なし 44 0 0 13 1 1 59
合計 1326 177 134 538 114 129 2418
表5 年齢別・腫瘍別分布
年齢 神経芽腫 腎悪性腫瘍 肝悪性腫瘍 胚細胞腫瘍 悪性胚細胞腫瘍 横紋筋肉腫 合計
0〜5
ヵ月
106 28 13 136 1 4 288
6〜11
ヵ月
*810 25 19 40 14 12 920
1歳 162 40 33 58 34 14 341
2歳 57 27 24 19 5 18 150
3歳 48 19 9 22 5 14 117
4歳 37 7 3 15 3 10 75
5歳 21 7 4 26 0 6 64
6歳 11 9 2 14 2 4 42
7歳 8 3 4 24 6 7 52
8歳 6 3 5 11 2 6 33
9歳 3 2 1 23 2 4 35
10歳 9 1 3 27 4 3 47
11歳 4 2 1 29 6 3 45
12歳 1 1 3 21 8 6 40
13歳 2 1 3 21 5 5 37
14歳 1 0 3 18 5 10 37
15歳 4 1 1 15 10 2 33
16歳
以上
1 0 0 3 2 1 7
記載なし 35 1 3 16 0 0 55
合計 1326 177 134 538 114 129 2418
*マススクリーニング症例739例を含む。
(神経芽腫マススクリーニングは2004年3月に休止された。)
表6 腫瘍別転帰
転帰 *神経芽腫 腎悪性腫瘍 肝悪性腫瘍 胚細胞腫瘍 悪性胚細胞腫瘍 横紋筋肉腫 合計
生存
症例数
970 149 85 500 108 54 1866
死亡
症例数
141 25 29 16 6 45 262
記載なし・
不明
215 3 20 22 0 30 290
合計 1326 177 134 538 114 129 2418
*マススクリーニング症例739例を含む統計
(マススクリーニング症例における死亡症例は8例)。
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